課題とビジョン
アフリカ、中東、オセアニアの多くの地域では、海や塩分を含む井戸水の近くに暮らしながらも、飲料水や農業用水が安定して確保できていません。
高圧ポンプや逆浸透膜(RO)システムには燃料費がかかり、膜や部品の入手も難しく、維持管理には専門技術が必要です。
Oasis Minare は、太陽光と空気、そして現地で手に入る砂を利用して、人と作物の両方を支えるパッシブ淡水化装置として設計されました。
Oasis Minareとは
Oasis Minareは、日本で出願された太陽熱利用型の淡水化装置(淡水化装置に関する特許出願)をベースにした、コンパクトなパッシブ淡水化ユニットです。
非淡水(海水や塩水)は浅いタンクに貯えられ、太陽光で温められたのち、熱伝導性の高い蓋に設けられた開口部から蒸発します。その各開口部の上には金属製の**凝縮用カバー(コップ状のドーム)が取り付けられており、内部の表面に水蒸気が凝縮して、下部の環状の溝(リング状の集水溝)**に集まり、排水管を通じて清浄な淡水として外部タンクに導かれます。
膜や高圧ポンプを使わず、シンプルな機械構造だけで淡水化を実現することが、この技術の中心思想です。

4ステップ
砂層付きの蒸発タンク

海水やかん水などの非淡水が浅いタンクに供給されます。

タンク内部には、現地で入手できる細かな砂などの分散層が敷かれており、水の表面積を大きくして蒸発を安定させます。

熱伝導性の蓋による太陽加熱

タンク上部は、たとえば濃い色の金属板など熱伝導性の高い蓋で覆われ、その蓋には複数の貫通開口部が設けられています。

太陽光により蓋とその直下の薄い水膜が温められ、水が蒸発して水蒸気が開口部から上方へ流れ込みます。

金属カバー内での凝縮

各開口部の上には、中空構造の凝縮用カバー(ドーム状のカップ)が固定されています。カバーの下部中央にはタンクと連通する開口があり、内周の下部には環状の集水溝が形成されています。水蒸気はカバー内部に入り、比較的温度の低い内面に触れて凝縮し、しずくとなって集水溝へ流れ落ちます。

淡水排出と濃縮水排出

集水溝に集まった凝縮水は、細い排水管を通じて外部の淡水タンクに導かれます。

一方、タンク内に残った濃縮水は、特許明細書で説明されているように、フィルター付きの排出口から排出され、砂層やタンクを洗浄したうえで再利用できます。

主な特長
  • 膜も高圧ポンプも不要
    蒸発と凝縮だけで動作し、構成部品は堅牢な金属部品が中心です。
  • 太陽光のみで駆動
    装置の基本動作には燃料も商用電力も必要ありません。
  • モジュール構造
    1つのタンクに複数の凝縮カバーを設置でき、ユニットを組み合わせれば出力を段階的に増やせます。
  • 農業利用に対応
    得られた淡水は飲料水だけでなく、苗の育成や点滴灌漑などにも利用でき、地域の食料安全保障の向上に貢献します。
  • 日本で設計・特許出願
    日本の特許出願に基づく技術であり、
    日本のエンジニアリングのノウハウを活かしています。
利用シーン
Oasis Minare は次のような場面での利用を想定しています:
技術と特許の状況
Oasis Minare の設計は、**太陽熱を利用した淡水化装置(淡水化装置に関する日本特許出願)**に基づいています。

この特許出願では、

  • 海砂などの微粒子からなる分散層を備えた蒸発タンク、
  • 複数の貫通開口部を有する熱伝導性の蓋、
  • 内周に環状の集水溝と排水管を備えた中空の凝縮カバー、
  • 濃縮水をフィルター付きで排出する構造、
  • が説明されています。
  • 現在、このアーキテクチャに基づいた試作機およびパイロットユニットを準備しており、各国の現地条件に合わせたカスタマイズを検討しています。
プロジェクトの現状とパートナー募集
Oasis Minare プロジェクトは現在、
設計とフィールド向け試作の段階にあります。

私たちは次のようなパートナーを募集しています:

  • アフリカ・中東・オセアニア地域の現地企業・団体
  • 水資源や農業支援に取り組むNGO・ソーシャルビジネス
  • 共同研究や教育プロジェクトに関心のある大学・専門学校
  • 現地で製造・設置・保守が可能な、実用的なパッシブ淡水化ユニットを共同で開発していきたいと考えています。
お問い合わせ
協業、実証プロジェクト、技術的なご質問については、下記までお気軽にお問い合わせください。
090-6754-0077
rakansan1147@gmail.com
株式会社ウラニウムセイコ
558ー0041大阪市住吉区南住吉4丁目15-11ー104
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